ライトグリーン・スカイ
「えいは、ずっとせいぎのみかたでいてほしいから」

理由を聞く前に聞こえた言葉。それは少し泣きそうな声。

心地良く聞こえている筈なのに、妙に変な感覚にもなる。

「くやしかったんだ。えいが“せいぎのみかたじゃない”っていわれたのが」

俺の為に喧嘩をしだして挙句の果てには、

俺を正義の味方にする為にやられっぱなしの状態に。

「…ばかか?おまえ」

「さっきからばかっていいすぎ」

こいつは俺の名誉を守る為にやられて、俺はこいつを守る為に。

それぞれ名誉の負傷(?)をした俺達はただ広がる空を眺めていた。

風は冷たく心地良い。このまま青と白の模様に吸いこまれそう。

「おれのためにやられるなんてことは、ゆるさない」

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