ライトグリーン・スカイ
“傷付けるのは、誰かを守る最終手段”

もしかしてこいつが俺より強い部分を見せた日、こいつは俺を守ろうとした?

「なあ」

「なに?」

「……なんでもない」

こいつも傷付けるのが最終手段だって、母さんから聞いたのかを聞こうと思った。

でもそんな訳ないかと思ってやめた。

もし俺を守ろうとして傷付けたのならば、俺にも守る義務があるような気がして。

ああ、だからか。代わりに守るだなんて言えたのは。

「えいのけち」

「あ?」

ゆっくりと起き上がって、土で汚れた服をはたく。

それからこいつを引っ張り上げて、同じ事をさせて。

“また怒られるな”と笑いながら2人で帰った。久々の楽しい帰り道。

その後学校の宿題の所為で英雄が完全な由来でない事が分かり、

ショックを受けた。何が正義の味方だよ。
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