ライトグリーン・スカイ
「……って訳だ」

「えーとそれはつまり……」

「守られて守る関係の奴が忘れられない」

もうこれで言い切った、と言わんばかりの清々しい表情。

間もなくして“喉が乾いた”と言いながら、水飲み場へと直行していた。

この間に、今聞いた話を頭の中で整理する。

栄兄ちゃんの“栄”は“英雄”からだったのは初耳で。

漢字を間違えちゃったとか?まさか……ね。

そして喧嘩に一緒に参加していたって事は、忘れられない人は男の人。

恋愛感情での忘れられない人だとすると、寒気がする。

「お、おかえり」

「ああ」

戻って来た栄兄ちゃんにどんな顔をして接すれば良いのか分からない。

「おい。まさかお前……」

やばい。バレた?そんな顔に出やすい性格ではないし…ね。
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