ライトグリーン・スカイ
ぼんやり栄兄ちゃんとお母さんの会話を見ていた。

本当に話が尽きないなあと、少し感動しつつも何かの視線を感じた。

該当するのはたった1人だと分かってたけれど、その視線の先を見る。

尋と目が合った。ふっと微笑む彼。そのまますぐに視線を逸らす。

顔はきっと真っ赤になったに違いない。

すると尋は突然立ち上がり、窓際へ向かうとそこへ腰掛けた。

私も何故か放っておけなくて、こっそりと尋の傍に。風が余計に気持ちよく感じた。

「何だか懐かしいね」

そう尋は言うけれど私は黙ったまま。それでも尋は独り言のように、言葉を発し続ける。

“何時も会うのは冬だから、寒くてこうする事はあまりなかったね”とか、

“この場所だけはあまり景色が変わらないね”とか。

「木葉も黙っていないでよ。まるで僕が独り言を言っているみたいで恥ずかしいよ」
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