ライトグリーン・スカイ
不確か
翌日。ずっと新聞の天気予報は晴れマーク。今日の予報も降水確率は0%。

こうして何事もなく時間は流れていく。皮肉な事に。

どうせ何時ものデマカセだからと、1日経過した今も言い聞かせている。

“嘘だと思うなら本人に聞いてみれば?”

怖くてそんな事は出来ない。“ああそうだよ”って言われたら、悲しくなる。

「おい木葉」

ベランダから空を眺めていると、突然お兄ちゃんが入ってきた。

ドアくらいノックしてほしい。ビックリしてしまうじゃない。

「何?」

「英和辞典返しに来た」

“適当な場所に置いておいて”と一言だけ。

そういえば栄兄ちゃんの忘れられない人、だったっけ。

お兄ちゃん自身は栄兄ちゃんをどう思っているのだろう?

気晴らし半分に聞いてみた。変な答えが返って来るかもしれないと思いながらも。
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