ライトグリーン・スカイ
「ねえ」

部屋から出ようとしたお兄ちゃんが、不思議そうに返事をした。

「栄兄ちゃんってどう思う?」

「…?さてはお前、栄に恋しているのか?面白い奴だ」

笑いながらそう言われてしまう。聞き方が悪かったのかな?

笑い声が聞こえなくなった所で、また聞いてみた。

「そうじゃなくて、お兄ちゃんにとって栄兄ちゃんって?」

気付いたら少し怒り口調になっていた。

怒れる事は何1つ言われていないのに。じれったかったから?

「そう言う事か。恋人……」

「!?」

「って言うのは冗談で、放っておけない奴。弟みたいな存在だな」

心臓が止まるかと思った。冗談にも程があるよ。

これで“あの事”も冗談だったら嬉しいんだけどな。

「それってブラコン?」

「バカか」

少し悲しくなった気持ちを見せないように、と冗談には冗談で返した。
< 93 / 201 >

この作品をシェア

pagetop