ライトグリーン・スカイ
言いたい事は分かるよ?でも周りに人がいるんだから。

そのボリュームの声で言えば丸聞こえは免れない。

「少し小さい声で、ね?」

そう一言忠告して、ばたばたもがく凛ちゃんの口から手を離した。

「死ぬかと思ったじゃない!」

「それくらいで死ぬかっての…」

ある意味冷静なツッコミをする栄兄ちゃんを、ギッと睨む凛ちゃん。

その迫力に流石の栄兄ちゃんも怯んでしまった様子だ。

「あ、そうだった。栄さんっておと…」

やっぱり解放しても忠告をしても聞きたくない。改めて知らされたくはないから。

今度は自分の耳を塞ごうとした、その時だった。

「…この子のような人が好みなのね!」

……あれ?

“男の子のような人が好み”?私はてっきり初恋相手がバレたのかと…
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