蝶と蜘蛛2
だんだんと意識が遠のき私の時が止まり始める。

ああ、こんな物語が人間の世界にあったはず。

ああ、白雪姫だったかしら?

魔女に毒りんごを渡され死にゆく姫。

私の場合は魔女に刺されたということかしら?

途切れていく意識の中私は声を搾り出す。

紫「助けれるものなら助けてみたら?」

蘭「紫!!」

傷と一緒にどうかこの私の心の穴も埋めてよ。

突き刺さる悲しみはありふれたドラマの様な事情。

ねえ蘭?

私を連れ出してよ。この世界から。消えてしまう、その前に。
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