蝶と蜘蛛2
紅「私の命をあなたに上げる」

まるで玩具をあげるというような口調で声を紡ぐ。

蘭「なんだって?」

紅「そのこにはね、小さいころから女郎蜘蛛一族の運命とシガラミがまとわりついているのよ」

紅はまるで物語でも読むかのように話を続ける。

紅「美しいがゆえに誰からも愛されず、美しいがゆえに誰からも求められて、美しいがゆえに殺められる人生・・・・」

そっと紫の頬に触れる。

紅「なんてかわいそうな人生なのかしらね?」

蘭「あなたは俺にどうしてほしいんだ?」

にっこりと微笑む。

紅「簡単よ。この子を殺さないでほしい。死を誰よりも望んでいるこの子にどうか生きがいを・・・・」

そういってゆっくりと倒れる。

蘭「大丈夫か!?」

すっと彼女は手で俺が来ることを遮る。

紅「もう私の人生の物語は終わり。さあ、王子様はお姫様に口づけをして目覚めさせるものよ・・・・」

嗚呼、籠の中の鳥は夢見ること、羽ばたくことを許された。

月の影太陽の光に誰よりも恋焦がれていた

私のかわいい可愛い妹。

どうか、この先あなたが歩み道に日の光が満ち溢れますよう。
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