蝶と蜘蛛2
そっと上から会場を見渡す。

どの男もより美しいものを手に入れたいという欲望が見える。

ああ、つまらないわ。

駆け引きはもっとかくして行わなければ。

そうじゃなきゃ、駆け引きの意味なんてないでしょ?

私は下へ降りる。

誰もが私に視線をよこす。

まるで品物を定めるような目つきで。

ばかねえ。

そんな必死にみなくても私はあんたたちなんて相手にするつもりはないわよ。

そんなことを思いながら微笑みかける。

さあ、どうする?

誰が一番初めに私に声を駆けるのかしら?

誰でもいいから私を

タノシマセテ?
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