蝶と蜘蛛2
「迎えに来たよ。」

そういって私の手に口づける。

紫「遅いわよ。蘭」

蘭「ごめんごめん。やっと、力を得ることができたからね。」

そういって蘭はそっと蝶の簪を私に渡す。

紫「ああ。これは・・・」

そういってそっと簪を受け取る。

その瞬間に様々な映像が頭に流れ込む。

修行に励む姿、その横で彼を支える女の人。

微笑みあう2人、そして、互いに顔を近づけ・・・・

紫「・・・・ねえ蘭?あなたの修行を見守っている女は誰?」

一瞬驚いた顔をするがすぐに笑顔に戻る。

蘭「ああ、お世話になった神主の御嬢さんだよ。でもその人とはなんにもないから」

紫「そう。」

そういって私はそっと顔を近づける。

紫「口づけを交わす中なのに?」

蘭「え?」

嗚呼、私が待っていたものは何?

蘭の存在?

それとも、自由?
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