空と海
「あのさ……。」
沈黙をやぶった沖田はそっと私の髪に触る。
「親が……病って…本当か……?」
「え………?」
「いや、さっき、実は土方さんと永久の会話聞いてたんだ。」
「ぁ…ッ…はい。本当…です…。」
総司には嘘をつきたくないけれど、
敵同士だから…。
そう思うと嘘をつくしかなかった。
「だからあの日も…来れなかったのか…。」
「はい…。」
「そっか…。」
違う…。
違うよ…。
そう言いたいけど、頭の中で高杉さんや岡田の顔が浮かんできて、そう言うことが出来ない。