空と海
戦わずして、負けを認めなければならなかった事……。
私達は、この国を新しい道へと導こうとしているのに、敵と見なされる事……。
そして、自分の無力さ……。
「くやしいッッ……。」
私の声が誰もいない静かな屋敷に響いた。
あんなに嫌っていうほど賑やかだったのにな………。
怒鳴り声や笑い声、洗い物をする音や障子を開ける音。
また…、そんなごく普通の声や音がききたい。
だから、私は今出来る精一杯の事をしよう………。
また、長州のみんなが京の、長州屋敷に戻ってこれるように…。