空と海




▽沖田視点▼



俺は今、京の町を巡察中。

不逞浪士の奴らは見あたらないし、今日は人を斬ることはなさそうでつまらない。

それに、あの店で抱きしめたのを最後に、永久と会えない。






店の奴に聞いてみたら、永久は親の病気が治ったから止めた。と言った。






俺が抱きしめたとき、永久も俺を細い腕で抱きしめ返してくれた。



あれからずっと永久に会いたい……。そればかり思ってしまう。






永久……、どこに居るんだよ…。




俺はそう思いながら、照りつける太陽を見る。



京の夏は暑く、ムシムシしてて、気持ちが悪い。

そのおかげで、ばてちまった隊士が続出。


まあ、永久に会えない苛立ちで無理やり稽古させてる俺の責任だけど





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