空と海
狼の看病
▽岡田視点▼
薬を飲ませて、布団に寝かせた永久は熱にうなされている。
そっと永久の額に手を当てるとやはり熱い。
あの八月十八日の政変からきっと無理をしていたのだな。
俺は、そう思いながら永久の手を握る。
あの政変から長州屋敷に行けなかった。
色々、しなきゃいけないことが沢山あり、永久と会う事が出来なくなった。
ちゃんと俺が永久を見ていたら永久が風邪をひくことは無かった。
俺が、辛いときに永久はいつもそばに居てくれた。
なのに……。
俺は……。
苦しそうな永久の顔を見ると余計そう思ってしまう。
「永久、ごめんな………。」
俺はそうそっと呟きながら看病を続けた。