空と海
「言えない…かな…。」
永久にそう言われたらそれ以上は踏み込めなかった。
「そっか………。」
「うん…。ごめん。」
「いや、別にいい。言えないことぐらい一つや二つあるだろ。ほら、寝ろ寝ろ。」
嘘だ。
別に良くなんかない。
一つや二つの隠し事さえもしてほしくない。
けど、俺はそう言えなくて、永久に寝ろと言った。
「ん。分かった。じゃあ、少し寝るね。」
永久はそう言うとすぐにスースーと寝息をたてながら寝始めた。
寝つきのいいやつ………。
穏やかな表情で寝る永久。
純粋で真っ直ぐで、俺を…俺自身を見てくれた永久。
俺はこいつの隣をこの先もずっと歩いて居られるか………?
▼岡田視点 終▽