空と海
消える一匹の狼
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「え?」
年が変わり、文久四年 五月十一日
この一年で壬生浪士組が゙新選組゙という名に変わったり、長州に帰って行った桂さんや香山さんが京に戻ってきたり、高杉さんが脱藩の罪で投獄されてしまったりした。
良い事や悪い事が交互に押し寄せてきたけれど………
今、桂さんに言われた事が一番衝撃的で悪い事だ。
「なにを…ッ…いってるんですか?嘘ですよね…?」
あはは。と力のない笑いを桂さんにしてみせる。
「永久さん…。本当です。」
桂さんはそう言って目をふせる。
「嘘です!!ありえませんッッ!!!」
私は桂さんの着物をギュッと握りしめる。
お願いだから嘘だと言って!!!!!!!!!
桂さんは私の肩に手を置き、
「嘘じゃないんです。岡田は……」
そして間をおいた後………。