空と海









宮部さんのその言葉を聞いて安堵してしまう。



「宮部さん、ありがとうございます…。」





「でも…『今は』です。必ず、必ず………。」



途中で言葉を発するのを止める宮部さん。



「分かってます。私も同じ思いですから…。」





「そうですよね…。春風さんも同じ思いですよね…。」




その言葉に黙って深く頷く。





「では、私はこれで………。宮部さんは………」





「ここで同志達を待ち、会合を開き、討ち入りを止めるよう説得します。」



「そうですね………。分かりました。桂さんにそう伝えます。」




私はそう言うと池田屋を出ようとするが




「春風さん!」



と宮部さんに呼び止められて、振り向く。





「新選組に気をつけてください。」





「ッッ………。はい。」





私は、小さく返事をした後、長州屋敷へと戻った。














< 161 / 223 >

この作品をシェア

pagetop