空と海
宮部さんのその言葉を聞いて安堵してしまう。
「宮部さん、ありがとうございます…。」
「でも…『今は』です。必ず、必ず………。」
途中で言葉を発するのを止める宮部さん。
「分かってます。私も同じ思いですから…。」
「そうですよね…。春風さんも同じ思いですよね…。」
その言葉に黙って深く頷く。
「では、私はこれで………。宮部さんは………」
「ここで同志達を待ち、会合を開き、討ち入りを止めるよう説得します。」
「そうですね………。分かりました。桂さんにそう伝えます。」
私はそう言うと池田屋を出ようとするが
「春風さん!」
と宮部さんに呼び止められて、振り向く。
「新選組に気をつけてください。」
「ッッ………。はい。」
私は、小さく返事をした後、長州屋敷へと戻った。