空と海
狼達の夜.前編
▼*沖田視点*▽
「ギャァァアァァアァア!!!!!」
響く死を前にした者の声。
血の臭い。
それは、俺ら人斬りを狂わせるには充分なもの………。
そんな血や声を俺は今、全身で感じている。
狂わないように、己と言う存在が壊れてしまわないように………。
そんな事を頭の片隅には置いているつもりだが、徐々に薄れ、いつ狂ってしまってもおかしくはない。
だが、それを阻止しているのは、池田屋で一緒に戦っている、近藤さん、永倉さん、藤堂がいるおかげだった。