空と海
だけどその思いは叶わず、私はグイッと腕を引っ張られ、民家のさらに物陰へと連れ込まれる。
「ぃやッッ!!!!」
総司の安否の事で頭がいっぱいで、全く身の周りの警戒をしていなかったことを今になって後悔する。
だが、次の瞬間には
「春風さんッッ!!」
と言う声がしてスットキョトンな声をあげて私の腕を引っ張っている人物の顔を見る。
「か…やまさん!?どうして?」
そう。そこにいたのは一緒に京に来た香山さんで、鬼の形相をして私を見ている。
「どうしてはこちらの台詞ですよ!!!!なんで一人で池田屋に行ったんですか!心配したんですよ!」