空と海
素っ気ない文であったが、今の私にとっては有り難い物で、感謝してもしきれないぐらいだった。
私は......長州へ帰郷する。
それが、一番いい。
そう思って文を書いたのが池田屋事件から一週間後ぐらいだった。
これ以上、香山さんや桂さん.....
他の仲間に迷惑をかける事なんて出来ない。
足手まといにしかならない私は帰郷するのが一番だ。
そう思い、兄様に文を書いた。
それに....兄様に宛てた文にはこの事は書いていないが、長州に帰れば、もう彼と会うことは二度とない。
想いを断ち切るためにも.....この方法が一番の策だと思った。