空と海
岡田が人を初めて斬ったその約二ヶ月後、私も人を斬った。
今の仲間を助けるため、とっさに刀を抜いて元仲間を斬った。
ザクッと音とともに
返り血を浴びて、悲鳴を聞いて、手足が急に冷たくなったのを覚えてる。
『はっ、るか...ぜぇぇつ!!!』
その人が最期に口にしたのは私の名
怒りを含んだ暗い暗い声
『よくやった。』
高杉さんはそう言ってくれたけど、自分が自分じゃないみたいで、いきなり闇の中に一人にされた感じだった。
私が人を斬ったのはそれっきりだか、岡田は違う。
今もなお、人を斬り続けている。
あの辛さを何度も何度も己の身に感じている
そんな岡田を闇の中で一人にしたくない。
私がなりそうになったときに岡田が助けてくれたように私も岡田を助けたい。