空と海









言われた部屋に行く途中、同じ芸子の花さんと会った。




花さんは、この島原の゙鈴゙で、表で働くのは三年目になるらしく、今日、入ってきたばかりの私にも優しくしてくれる。








「春はんやないの。春はんも、この部屋に行くよう、言われましたん?」




「はい。人数が大分、多いらしいけど、団体様ですか…?」





「あれ?この部屋に来とる、お客はん達、誰か知らんのぉ?」






その花さんの言葉にコクンと首を縦に振る。




すると花さんはフフッとふんわりと笑う



「壬生浪士組の幹部の方々よ」







壬生浪士組………?

幹部...?



(うそ...まさか、そんな)




ドクンドクンと鼓動が早くなる



もし、ここに彼が居たら?










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