Last Mission
この人は斉藤の身の上を全て知っていて、
その上で黒凪にいさせているのだ。
「斉藤がどうしてオレたちに嘘をついてまで黒凪に来たのか…
あんたは、全部知ってるんだろ?」
「…。」
赤い瞳が、ゆっくりとこちらへ向けられる。
それでもオレは決して目を離さなかった。
「それは…興味半分で知りたいとか言ってるわけ?」
「え…」
そんな自分に、ふと有沢さんは静かに口を開く。
急な問いかけに思わず固まるオレ。