その指に触れて
「遥斗」
「ん?」
「指、触ってみてもいい?」
「へっ?」
デッサンの手を止めて遥斗はあたしを見て瞬きする。
「あ、デッサン終わってからでいいんだけど」
「いや、もう終わったけど……。万梨ちゃん、今日どうかしたの?」
「まあ、あたしがこんなに積極的になることは珍しいけど」
いつもは他愛のない話ばかりしてるし。
やっぱりまだ動揺してるのかな。
「でも、触りたいのはずっと前から思ってたから」
「それ、どんなふうに捉えればいいの?」
遥斗が苦笑している。がつがつするあたしは嫌なのか。
でもめげない。
「あたしに告白させたいの?」
「いや、そういうわけでは……」
「嫌いだったらこんなこと言わないし……」
言っている間に顔が熱くなる。
くっそう。なぜか遥斗にしてやられた気分。
告白したけど、あたしだってまだ恥ずかしいんだよ。付き合ってるわけでもないし。返事はいいとは言ったけど、でも遥斗の気持ちは気になるし。
遥斗の一言で困惑するあたしを見て、遥斗はくすっと笑った。
「どうぞ」
遥斗が右手をあたしに差し出す。
遥斗って、時々わからなくなる。
「ん?」
「指、触ってみてもいい?」
「へっ?」
デッサンの手を止めて遥斗はあたしを見て瞬きする。
「あ、デッサン終わってからでいいんだけど」
「いや、もう終わったけど……。万梨ちゃん、今日どうかしたの?」
「まあ、あたしがこんなに積極的になることは珍しいけど」
いつもは他愛のない話ばかりしてるし。
やっぱりまだ動揺してるのかな。
「でも、触りたいのはずっと前から思ってたから」
「それ、どんなふうに捉えればいいの?」
遥斗が苦笑している。がつがつするあたしは嫌なのか。
でもめげない。
「あたしに告白させたいの?」
「いや、そういうわけでは……」
「嫌いだったらこんなこと言わないし……」
言っている間に顔が熱くなる。
くっそう。なぜか遥斗にしてやられた気分。
告白したけど、あたしだってまだ恥ずかしいんだよ。付き合ってるわけでもないし。返事はいいとは言ったけど、でも遥斗の気持ちは気になるし。
遥斗の一言で困惑するあたしを見て、遥斗はくすっと笑った。
「どうぞ」
遥斗が右手をあたしに差し出す。
遥斗って、時々わからなくなる。