その指に触れて
「俺の指の何がいいの? 普通だと思うけど」
遥斗はあたしの手から自分の指を離してぶらっと振った。
あー、もうちょっと見ていたかった……。
「全部。遥斗の指を為している全部が好き」
あたしが満面の笑みで言うと、「あんまりいい趣味とは言えないと思うけど」なんて、遥斗は苦笑した。
「仕方ないじゃん。遥斗の指に欲情するんだから」
「だいぶアブノーマルでしょ。万梨ちゃんの好み」
「……本気なんだけど」
「さっきからほんとどうしたの? 今日は特別
おかしい日なの?」
いつもなら滅多にしない、あたしの頭に手を置いて顔を覗き込むのを遥斗はやってのけた。
あたしは本気で心配されているらしい。
「……かもね」
「ちょっと万梨ちゃん、いつもならそこ食いついてくるところでしょ。何かあった?」
「や、遥斗にとってはなんてことないことだし」
「万梨ちゃんにとっては何かあるんでしょ?」
こいつ、こんなに優しかったっけ?
あたしだけじゃなく遥斗もいつもと違って見えて、あたしは軽く動揺した。
遥斗はあたしの手から自分の指を離してぶらっと振った。
あー、もうちょっと見ていたかった……。
「全部。遥斗の指を為している全部が好き」
あたしが満面の笑みで言うと、「あんまりいい趣味とは言えないと思うけど」なんて、遥斗は苦笑した。
「仕方ないじゃん。遥斗の指に欲情するんだから」
「だいぶアブノーマルでしょ。万梨ちゃんの好み」
「……本気なんだけど」
「さっきからほんとどうしたの? 今日は特別
おかしい日なの?」
いつもなら滅多にしない、あたしの頭に手を置いて顔を覗き込むのを遥斗はやってのけた。
あたしは本気で心配されているらしい。
「……かもね」
「ちょっと万梨ちゃん、いつもならそこ食いついてくるところでしょ。何かあった?」
「や、遥斗にとってはなんてことないことだし」
「万梨ちゃんにとっては何かあるんでしょ?」
こいつ、こんなに優しかったっけ?
あたしだけじゃなく遥斗もいつもと違って見えて、あたしは軽く動揺した。