その指に触れて
「……遥斗」
あたしは机に肘をついて遥斗を眺めていた。
あたしが遥斗の元に週一で通っていることや、晃彦に週四で抱かれていることは、当然のことながら本人達は知らない。
知られたらどう思うかな。軽い女って思われるんだろうな。
「何?」
あ、そこのモーツさん、ちょっとどかしてと遥斗は言った。
「あたし、変わった?」
「何が?」
「見た目とか、雰囲気」
右手を止めて、視線をこちらに向ける。三秒もしないうちに遥斗は「特に何も」と言ってのけた。
「……だろうね」
女は抱かれると更に女らしくなるとかどっかで聞いたことがあるけど、あたしはそうはならないか。
「変わったといえば髪型じゃない? 最近ポニーテールが多くなった」
「ああ、髪の毛の手入れがめんどくさいだけだよ」
まさか、抱かれると寝不足になってほぼ毎朝寝坊するから簡単なポニーテールにしているとは言えない。
別に知られても、遥斗は今まで通りだろうけど。
あたしは机に肘をついて遥斗を眺めていた。
あたしが遥斗の元に週一で通っていることや、晃彦に週四で抱かれていることは、当然のことながら本人達は知らない。
知られたらどう思うかな。軽い女って思われるんだろうな。
「何?」
あ、そこのモーツさん、ちょっとどかしてと遥斗は言った。
「あたし、変わった?」
「何が?」
「見た目とか、雰囲気」
右手を止めて、視線をこちらに向ける。三秒もしないうちに遥斗は「特に何も」と言ってのけた。
「……だろうね」
女は抱かれると更に女らしくなるとかどっかで聞いたことがあるけど、あたしはそうはならないか。
「変わったといえば髪型じゃない? 最近ポニーテールが多くなった」
「ああ、髪の毛の手入れがめんどくさいだけだよ」
まさか、抱かれると寝不足になってほぼ毎朝寝坊するから簡単なポニーテールにしているとは言えない。
別に知られても、遥斗は今まで通りだろうけど。