その指に触れて
「最近、万梨子はどうなのよ?」
教室で弁当を食べていると、汐香に箸で指差された。
「汐香、危ないからやめなさい」と睦実からお叱りを受けて、「別に何も」とあたしに答えられた汐香は頬を膨らませて拗ねた。
「つまんないの」
「付き合ってるわけでもないし、そう簡単に物事が動くわけないでしょ」
「万梨子が行動すればいいのよ。変態だから、結構積極的になれるでしょ」
「それ、どんな定義?」
まさか、元カレとやって、遥斗にはさっぱり会わなくなったとは言えない。
遥斗がほぼあたしの寝込みを襲った日以来、あたしは本格的に美術室に行かなくなった。自分がしたならいいけど、されてしまっては……あたしはどんな顔をして遥斗に顔向けしろと?
草食のくせに指に食いつくとはね。草食の上に趣味悪いって、絶望的じゃない?
それでもあたしは遥斗が好きで、晃彦に週の半分以上は抱かれる。
自分が情けないとは思う。
教室で弁当を食べていると、汐香に箸で指差された。
「汐香、危ないからやめなさい」と睦実からお叱りを受けて、「別に何も」とあたしに答えられた汐香は頬を膨らませて拗ねた。
「つまんないの」
「付き合ってるわけでもないし、そう簡単に物事が動くわけないでしょ」
「万梨子が行動すればいいのよ。変態だから、結構積極的になれるでしょ」
「それ、どんな定義?」
まさか、元カレとやって、遥斗にはさっぱり会わなくなったとは言えない。
遥斗がほぼあたしの寝込みを襲った日以来、あたしは本格的に美術室に行かなくなった。自分がしたならいいけど、されてしまっては……あたしはどんな顔をして遥斗に顔向けしろと?
草食のくせに指に食いつくとはね。草食の上に趣味悪いって、絶望的じゃない?
それでもあたしは遥斗が好きで、晃彦に週の半分以上は抱かれる。
自分が情けないとは思う。