その指に触れて
「思うけどさ、女子のスカートってなんでそんなに短いの?」


遥斗にしてみれば何気ない疑問だったのだろう。


しかし、あたしはみんなに言われるほどの変態なのだ。


「何、あたしの足に欲情してんの?」

「なんですぐにそういう風に解釈するかなあ……。確かに万梨ちゃんの足は綺麗な形してるし、欲情しないかって言われたらそりゃあ……って、違うよ。俺はそんなに短くてこれから寒くないかって言ってんの」

「なんだ、遥斗も人のこと言えないじゃん」

「違うって。万梨ちゃんのことは、世間一般的な見方で言ってるだけで……」

「そうか、遥斗もあたしの足を綺麗だと思ってたのか。好きな人に褒められると嬉しいね」

「万梨ちゃーん。勝手に俺の意見ってことにしないでー。ついでに話戻してー」

「ん? 寒くないかってこと? 確かに寒いけど、我慢する」

「なんで我慢すんの?」

「制服はファッションの一つだからね。ダサく見られたくないわけ。ダサく見られるのと寒いのどっちが嫌かって言ったら、ダサい方が耐えらんない」

「リボンとかブラウスのボタンも同じ感覚ってこと?」

「そういうこと。まあ、冬はさすがにみんな若干でもスカート長くするよ。夏が凄いよね。見たくないもんまで見えるくらい短くするのはあたしも嫌」


結構生命力が強い高校生だからやってのけることだと思う。


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