その指に触れて
それから、あたしは本格的に勉強を開始した。


とりあえずテスト勉強をがっつりやった。


先生に言われた勉強法でテキストやプリントをこなして、授業をしっかり聞いたら、前の半分の順位になっていて、びっくりした。


遥斗は今回もダントツの一位だったと、噂で聞いた。


一位を維持することは、伊達の努力ではできない。相当の努力と、ある意味才能も必要だろう。


聞けば、遥斗は入学してから今まで全科目で一位の座を譲ったことがないらしい。


テストだけならまだしも、模試まで。


更には模試で県で一位を取ったこともあるらしいから、もはや気持ち悪いとしか言いようがない(これらの情報は全て、汐香と睦実と瞳から聞いた話だが)。


模試なんてまともに勉強したことないのになあって、四人で同意したけど。


テストが終わってから、受験勉強といっても何をすればいいかわからなくて先生に聞いたら、授業をしっかり聞いて、模試の復習をしなさいと言われた。


模試の問題を見るだけで頭が痛くなるあたしは、マジで?と思ったけど、遥斗もやってるんだよなと自分を奮い立たせた。



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