その指に触れて
「妊娠したらさ、責任取ってよね」

「万梨ちゃん、朝から盛りすぎ……」

「一応、プロポーズだから」

「は?」

「妊娠するくらい頑張ってってこと」

「朝っぱらから何言ってんだよ、万梨ちゃん……」


もはや遥斗は呆れている。


「朝ってSっ気抜けるんだね、遥斗」

「もう言わないでよ。恥ずかしいんだからね、あれ」

「その割にはけっこうあたしを攻めて……」

「もういいから! なんなら、もう見せないから!」

「遥斗」

「……何」

「無理だよね、それ」

「もう嫌なんだけど、朝っぱらから……」


がくりとうなだれる遥斗の頭を撫でる。


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