その指に触れて
あたしが眉間に皺を寄せて山田くんを睨み付けていると、山田くんは「えっと……」なんて慌てだした。
「嵌めたよね? あたしを」
「いや、そうじゃな……」
「どこがそうじゃねーんだ、この草食系男子!!」
あたしが目の前の男の胸ぐらを掴んだら、潤んだ目で「ひええええ」と情けない声を漏らした。
こいつ、絶対彼氏にしたくない。
「自分が間違えたくせに嵌めるとはええ度胸じゃのう。そういうの、一歩間違えたら警察行きですよ。鉄格子の中に入れられるんだよ。わかってんのか?」
「す、すみません、すみません。許してくださいっ」
今にも涙がこぼれそうなうるうるの目で見降ろされると、なんだかこっちが悪いことをしてしまった気分になる。
あたしが警察行きになりそうな雰囲気で、あたしは胸ぐらを掴んでいた手を離した。
「怒ってる……よね?」
まだ涙目のままの山田くんがあたしの顔を覗き込む。
「怒ってる。嵌めた理由を教えなさい」
「いや、嵌めたつもりは……」
「あ‶!?」
「……すみません」
なんか、怒ってることがバカらしく思えてきた。
「嵌めたよね? あたしを」
「いや、そうじゃな……」
「どこがそうじゃねーんだ、この草食系男子!!」
あたしが目の前の男の胸ぐらを掴んだら、潤んだ目で「ひええええ」と情けない声を漏らした。
こいつ、絶対彼氏にしたくない。
「自分が間違えたくせに嵌めるとはええ度胸じゃのう。そういうの、一歩間違えたら警察行きですよ。鉄格子の中に入れられるんだよ。わかってんのか?」
「す、すみません、すみません。許してくださいっ」
今にも涙がこぼれそうなうるうるの目で見降ろされると、なんだかこっちが悪いことをしてしまった気分になる。
あたしが警察行きになりそうな雰囲気で、あたしは胸ぐらを掴んでいた手を離した。
「怒ってる……よね?」
まだ涙目のままの山田くんがあたしの顔を覗き込む。
「怒ってる。嵌めた理由を教えなさい」
「いや、嵌めたつもりは……」
「あ‶!?」
「……すみません」
なんか、怒ってることがバカらしく思えてきた。