その指に触れて
「なんか、おかしいね」
「ん?」
「昼間っから男女でこんな話してんの」
「今更気付いたの? 言っとくけど俺じゃなかったら今頃万梨ちゃん、確実に犯されてるよ」
「遥斗はしないの?」
「俺は絵描いてるから」
「話すのは?」
「それは全然いいけど」
無駄に邪魔するなってことか。
口を動かしながら手も動かす。
なかなかできることじゃない。
これが締め切り直前だったらさすがの遥斗も手だけをひたすら動かすんだろうけど。
あたしの誘いにも乗らないか。
「絵、ほんとに好きなんだね」
「まあ、描いてる時が一番落ち着く」
「あたし好きだよ、遥斗が絵描いてるとこ」
「ふうん。万梨ちゃん、モーツさんの後ろのバッハさんどかして」
「はいはい」
……流されたよ。
これも髪型から遥斗に名付けられたバッハさんを元の場所に戻そうと立ち上がると軽くよろけた。
けっこうダメージでかい。
今の、けっこう頑張ったんだけどな。
「ん?」
「昼間っから男女でこんな話してんの」
「今更気付いたの? 言っとくけど俺じゃなかったら今頃万梨ちゃん、確実に犯されてるよ」
「遥斗はしないの?」
「俺は絵描いてるから」
「話すのは?」
「それは全然いいけど」
無駄に邪魔するなってことか。
口を動かしながら手も動かす。
なかなかできることじゃない。
これが締め切り直前だったらさすがの遥斗も手だけをひたすら動かすんだろうけど。
あたしの誘いにも乗らないか。
「絵、ほんとに好きなんだね」
「まあ、描いてる時が一番落ち着く」
「あたし好きだよ、遥斗が絵描いてるとこ」
「ふうん。万梨ちゃん、モーツさんの後ろのバッハさんどかして」
「はいはい」
……流されたよ。
これも髪型から遥斗に名付けられたバッハさんを元の場所に戻そうと立ち上がると軽くよろけた。
けっこうダメージでかい。
今の、けっこう頑張ったんだけどな。