MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
疾走を続けていた二人は、ダッシュしながら校内のある場所へ向かっていた。


毎日昼休みになると『あいつら』が集まる場所であり、最近傷が行動を共にしているグループが根城にしている部屋―――『部室』に。


「「こんにちはーっ!!」」


部活内ルールその1。
〔部室に来た時は、大きな声で元気よく挨拶〕


別に守らなくたってどうって事ない決まり事だが、律儀に声を張り上げる二人。


「あら、こんにちは」

そんな傷達に挨拶を返したのは、一人の女子だった。

「あれ?琴ちゃんだけ?」


大志が首を傾げた途端、傷が後ろから隙ありとばかりにゼリーを奪取した。


「ゼリー頂き!!」

「なっ、しまった!!」


悔しがる大志と、得意気な傷。

そんな二人を見て、その女子―――傷の先輩、2-A・山城琴葉はクスクスと笑った。
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