MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「って、今はそれよりも―――会長!!!」


傷に対してかなりの苛立ちを見せた千葉が、突然怒りの矛先を蔆哉に向けた。


……まぁ、彼女が怒っている理由はもう分かってるけどね……。


蔆哉は面倒臭そうに方を竦める。


「……なんだい?副会長」

一応分からないフリをしてみたけれど―――


「『なんだい?』じゃないでしょう!!!!一体いつまで待たせるつもりですか!!皆もう我慢の限界をとっくに越えてますよ!!」


あぁ、やっぱり怒られた。


「やれやれ、相変わらず〈静かに待っている事〉が苦手な連中だ」


「貴方がそんなメンバーばかり集めたからでしょう」


「確かにそれはそうだけど、いくら何でも今日は早すぎじゃないか?」


「何せ今日はあの浅野傷を連れ込む予定でしたからね。皆かなり精神が高ぶってたんじゃないですか?」


「俺?連れ込むってお前ら……」


傷がげんなりした様子でため息をつく。


「何だ、拷問でもされるのか?俺は生徒会にどれだけ恨まれてるんだ?」


「いえ、正確にはこの女が生徒会の敵なんです。ひいてはこの女が率いる《MYG倶楽部》とやらも敵、という事で」


千葉が憎々しげに親指で由奈を指す。


「えへへ。あたし達がまだ2年で、生徒会メンバーを決めた選挙の時に一悶着起こしちゃって………」


僅かながら頬を赤らめる由奈。


「そこは絶対に確実に照れる所じゃないと思う」


傷が冷静につっこんだ。


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