MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「会長、おっそ―い!!もう僕と切クン以外帰っちゃったよぅ!!」


明るいが非難めいた声。


千葉が再び扉を開けると、そこに可愛らしい少女が頬を膨らませながら立っていた。


「やぁ―、ごめんごめん。ちょっと意外な邪魔者が出没しちゃってね」


「出没ってなんだ。あたしは野生動物か!!」


蔆哉の謝罪に後ろから入って来た由奈がつっこむ。


「わぁっ、由奈ちゃんだ!!いらっしゃ〜い!!」


その由奈の顔を見た途端に、少女の顔が晴れやかな笑みに変わった。


「いよっす、治香無!元気してた?」


「元気元気!!由奈ちゃんの方はどう?大志クンは?相変わらずシスコン?」


「あたしも大志も元気だよ。シスコンの事は放っとけ」


親しそうに話す二人。


何か問題発言が混ざってるのはスルーの方向で作者からのお願い。


「ここが生徒会のアジトか…………意外と普通だな」


最後に入ってきた傷が、部屋中を見回して呟く。


「辺り一面血の海とか、壁に死体が塗り込められた跡があるとか、異次元が広がってるとか、そういうのを予想してたんだが」


「あははっ、さすがにそれはないよぅ!元々生徒会は、地味思考の一般人の生徒がやってた役回りだからね。使ってるお部屋だってせいぜいこんなモンだよぅ」


傷に気付いた少女が、笑顔を向けながら近付いて来た。


そのままペコリと頭を下げる。


「あなたが浅野 傷クンだね?はじめまして、僕は2年C組の織紙 治香無。ちなみにこの名前はオリガミ ハルカナって読んでね作者からのお願い」


「…………な−んか最近よく分かんねぇ名前が多いな−。お前もそう思わね?」


「うん、『傷』と書いて『ショウ』と読むような主人公には言われたくないかなっ」


あくまでも晴れやかな笑顔の治香無。


額に青筋立ってるけど。

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