MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
社会に対しなんの権限も持っていないと言っていい、〔中学生〕という身分。



「小学生と違ってちゃんと自立している者も多いのに、義務教育の一環として数多の自由を奪われているオレ達中学生が、警察や教育委員会の目を逃れて暴れまわる為にはさ。やっぱ、それなりの暗黙の了解ってヤツが在るわけなんだよ」



つまらない大人達を欺いて、自分と信頼できる仲間達だけの時間を過ごす為に。


「高校生になれば、あんまりそんな事を気にしなくてもいいんだけどね。まずはこの中学校を卒業しなきゃ」



面白くなさそうに語る淳夜。



「……なるほど。んで、それが今回の件と何の関わりが?」


「その掟を破ったヤツがいる」




「ええぇぇっっ!!!!????嘘でしょ!!????」





突如、大志がかなりの大音量で叫んだ。



「なっ…なんだよ大志。そんなに大変な事なのか?」

「傷くんは知らないだろうけど、これはすっごく大事な話なんだよ!」


「最近は中学生に目を光らせる大人達が増えて来たからね」


「傷君にはまだ言ってなかったかしら?」


「え?琴ちゃんも知ってるのか?」


「もちろん。私だって〔中学生〕ですもの」


なっ……なんだよそれ…………。


知らないのは俺だけって事か?


うっわぁ、疎外感を感じる…………


「何で誰も教えてくれなかったんだよ?俺、そんなの聞いた事なんて一度もないぞ?」



「……い、いやぁー、オリを見てちゃんと教えてあげようと思ってたんだけどね?ほら、今年の入学式の後に大きな事件があったじゃないか。あれのせいですっかり忘れてたって言うか、キミには言う必要は無いって言うか…………」


「《言う必要が無い》?どういう意味だそりゃ?」


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