MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「「………………」」


初め、その光景がしんじられなかった。


「……何コレ」


「……デカワンコロード?」


あれから数分後。

思ったより早くにビルJr.が走るのを止めたので、傷と大志も足を止めた。

そして。

目の前には、あちこちに散らばった犬・犬・犬。


「……死んでる?」


「のも何匹かいるな」


身体中がキズだらけになり、中には完全に喉元が食いちぎられたものもいた。


「……仲間で争ったのかな?」


「いや、違う。首輪を見てみろ」


「! 青い…………?」


持ち主の犬の首にちゃんとはまっている首輪もあったが、喉元に噛みつかれた際、外れて転がっている首輪も多かった。


その大半が見慣れない青い首輪で、ビル・ゲイツ達がつけていた赤い首輪は全体の三分の一程だった。


「…………行くぞ。この先にまだいる」


「傷くん………」


…………ガウガウガウガウ…………


「ワンワンワンワンッ」


少し遠くから聞こえた鳴き声に、ビルJr.が反応する。


「今回の件。もしかしたら、かなりのヤマかもな」


「あーぁ。淳くんが僕らに隠したがってた理由が分かる気がするよ」
< 40 / 138 >

この作品をシェア

pagetop