MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
桜木家の庭先。


傷が玄関から外に出ると、いつの間にか起きていたビル・ゲイツ率いるデカワンコ達が尻尾を振りながら飛び付いて来た。


それは部室で初めて出会った時とは違う、親しみを込めた飛び付き方。


「よぉ、ビル。元気か?」


中でも一際サイズの大きい犬に、傷は話しかける。


「ワンワンッッ」


ビル・ゲイツは、傷の言葉を理解したかのような返事をした。


……っていうか。
完璧に人間の言ってる事が分かってるよな、コイツら。


「お座りが分かる程度の脳ミソじゃねぇよな」


「ワンッ」





「お手とおかわりは覚えてくれないけどね」





「! 淳夜さん……」


「よっ、傷。無事だったー?」


視線を上げると、そこにはいつもの笑顔があった。


「ビル・ゲイツ達を迎えに来たよ。大志はどこかな?」


「アイツなら自分の部屋だよ。それよか、どういう事だよ淳夜さん」


「? 何がだい?」


突然質問をした傷に、淳夜の笑った顔に驚きが混じった。


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