MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「アイツは―――由奈は、何よりもまず仲間が大切だと思ってる」


一つ一つ言葉を選ぶように、ゆっくりと喋り出す。


「そして同じくらいに、仲間を失う事を恐れてるんだ。そう考えると、あの掟に一番縛られてるのはアイツなのかもしれない」


掟さえ破らなければ、誰にも邪魔される事なく仲間達と笑っていられるから。

たとえ何が起こっても、誰も欠けずに帰れるから。


「……」


傷は黙りこんだまま、淳夜の言葉に聞き入った。


「アイツはオレ達を守るためなら、何だってする。過去に死にかけた事だってある。だから、皆で決めたんだ」




オレ達も、アイツを守るために何だってしよう―――



「オレ達は、全員で死んだって構わない。皆と一緒にいられるなら。でも、誰か一人だけが犠牲になる事は許さない」


いつでも、そう思いながら生きてきた。


「つまり……お前という新しい仲間を守りきる事が、現部長・桜木 由奈の今の役目なんだよ」


ニッコリと、優しそうな微笑みを浮かべて、淳夜は話を締めくくった。
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