MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「二人共、今日は泊まってくでしょ?」


「うん、そのつもりー」


「今日は大志、この家に一人だもんねー」


桜木家の住人は、正確には三人いる。


由奈、大志、そして四年前行方不明になった両親の代わりを務める伯父。


父親の弟である伯父は兄夫婦が失踪してすぐ、大志達の保護者を名乗り出てくれた。

とても親切で、彼がいたからこそ今の恵まれた生活がある。

由奈と大志も伯父によくなついていて、三人は本当の家族のようだった。


「伯父さん、次に帰って来るのはいつだっけ?」


「来月だって。それまでずっとお留守番ー」


その伯父は現在仕事で他の県にいる。


「そっか。大変だなーお前らも」


「お互い様でしょ」


「「まぁねー」」


ちなみに、双子は母親が二年前に他界。
粗暴な父親は毎晩のように愛人を自宅に連れ込んだり酒に溺れたりしているので、夏杞と冬杜は他の兄弟と一緒に知り合いの家に半分居候中。


「「ま、そこでの生活も楽しいからいいんだけどねー」」


双子はケラケラ笑うと、今晩の夕食はどうしようかと、呑気に相談し始めた。


「はぁ……やっぱり強いねぇ……。あ、僕コンビニ弁は嫌だよー」


大志は誰にも聞こえないように呟くと、すぐに双子の会話に加わった。

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