MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜

同日・真夜中

「あー。今日も遅くなったなぁー」


腕時計を覗くと、時刻はすでに午後十一時を過ぎている。


仕事を終えた傷は、暗い夜の道を愛用の自転車で疾走していた。


「やっぱ、隣の県まで行って仕事してすぐ帰って来るのはちっと厳しいかな」


自分の家につく頃には日付はとうに変わっているだろう。

太陽が昇る前には寝たかったんだけどな。


「畜生明日は終業式だぜ?校長の話の途中で居眠りでもしちまったらどうしてくれるんだよ」


元からちゃんと聞いたためしなんて皆無だけど。


「夏休みに入ったら初日から泊まりがけで出張だし……。くそ、こりゃホントに俺の体がもたねぇかもな」

目前に控えた大仕事に、傷はげんなりしてため息をつく。


生まれつき丈夫な体を有している傷でも、連日の仕事に不調が現れ始めていた。

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