MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
まるで他人事のように冷静に振る舞う由奈に対して、傷はその場でがっくりと項垂れた。


「俺が…………将来有望だの危険だの裏社会中で注目を浴びているこの俺が……こんな……こんなミスを…………!」


「あしーたがあるーさあすがあるー♪わかーいボクにはゆめがあるー♪」


「それフォロー?」


「別に」


「七人目の悪意と呼ばれるこの俺がぁ…………!!」

相当なショックを受けている傷をそのままに、由奈は倒れている黄色い首輪のデカワンコを調べ始めた。


「うーん……サイズ以外は特に普通の犬と変わらないなぁ…………。淳夜の奴、どうやったらこんなのを手なづけられるんだろ」


「あの人、何気に猛獣使いの才能でもあったりして」


「立ち直り速っ!あー、でもそれはあるかも。傷もあたし達の中で一番最初になついたのは淳夜だったし」


「あっ、なるほどねー。アハハハハハハ―――」


ドゴンッッ


傷は怒りに任せて足元の地面をぶん殴った。

コンクリートに穴が開いた。


「だ―れ―が―猛獣だあんコラ」


額に青筋を浮き立てながら、由奈に詰め寄る傷。



「何だよ、狼少年って呼ばれてるクセに」


「バッキャロ−、今はただの狂犬だ」


「十分猛獣だっつーに」




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