MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「我々生徒会が果たしている役割は、何も生徒の鑑となる事だけではありません。それとは別に、我々が存在している理由は―――」





「常に己を研き、修練を怠らず、学校内の治安を乱す〈悪〉を排除する―――だろう?」






「!!」


傍観していたと思っていた淳夜が、静かに告げた。


「そして目的の為ならどんな事でもする。それがここ王生中生徒会のやり方だ。毎年県内でもその有能さは注目されているよ」


「淳夜さん……」


「まぁ今年の生徒会は、会長が開校以来初の『武闘派』の生徒がなった事でいろんな意味で危険視されてるけど。遂に本格的に動き出したかぁ―」


淳夜は特に気負った風も無く、いつもの爽やかな笑顔のままだった。


千羽は一旦ハリセンを下ろすと、淳夜の真正面に向き直って言った。


「今年度の四月―――入学式のすぐ後、王生中で起こった事件を貴方もご存知でしょう?」


千羽の眼鏡の奥の瞳が、怪しげな光を帯びていた。


「もちろん知ってるけど。それが何か?」


「そして、生徒会を差し置いてその事件を勝手に処理した生徒達がいるそうです」


「へぇ―、そうなんだ」


淳夜は話題が急に変わった事に対して別段驚きもせず、むしろそれを楽しんでいるかの様に見えた。


「どうやら……貴方達とは、こうなる事が決まっていたようですね」


「一体君が何を言っているのか、全然解らないなぁ」


千羽が攻撃の体制をとった。


「貴方達を生徒会専用会議室に連行させて頂きます」

「残念だけど、お断りだね」


「生徒会の命令です」


淳夜の口元に、不敵な笑みが広がった。


「無理矢理にでも、連れて行きたいと言うのなら…………」


淳夜はゆっくりとビル・ゲイツの背中を撫でた。


千羽が攻撃に備える。






「デカワンコ軍団、しゅうご―う!!!!!」


「はぁ!?」



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