MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「ふぃー、しょうがない」

淳夜は諦めたようにため息をつくと、ビル・ゲイツ達デカワンコ軍団に向けて『引け』と手で合図した。


「グルルルルルルルル………」


ビル・ゲイツ達は名残惜しそうに千羽から離れ、淳夜の周りに集まった。






千羽がゆっくりと立ち上がる。






「と、いうわけだ、千羽」


久保は微かに笑うと、鎖分銅を振り回しながら一歩彼女に近付いた。



「……」


千羽は弱々しくも、巨大ハリセンを構える。


「チッ……虚勢だな」


劣勢でいても闘う意思を失わない千羽の態度に多少イラついたのか、久保は舌打ちして呟き、一気に駆け出した。


先程喰らった一撃を、そのまま相手に返すつもりで―――


「うおおおおおおおおぉりゃあっっ!!」


ヒュンッ―――






「突然だが、そこまでにしてもらえないかな」






ガキンッ!!


「なっ!?」


久保が咆哮しながら投げた二本の鎖分銅は、目標である千羽への道を大幅に逸れた。逸らされた。


二本の鎖に付いた二つの錘を、横から見てちょうど重なる一瞬を狙ってぶつけられたソレは、ほぼ同時に両方の鎖分銅に当たり、千羽に襲いかかるのを防いだ。


「………そんな………!」


ソレが飛んで来たのとは反対の方向へ向きを変えた鎖は、


「ええぇぇっっ!!!!何でぇぇぇぇっっっっ!!!??」


たまたまそこにいた傷を始め暇人達の所へ見事不時着。



「ちょっ、何コレ狙っただろっっ!!??」




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