MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「きゃあっ!!」


「!!!!」


傷達が慌てて吹き飛んで来た鎖分銅をかわそうとした時、短い悲鳴が響いた。


「琴ちゃん!!!!!」


琴葉の一番傍にいた大志が駆け寄る。


琴葉は自分の方に飛んで来た鎖分銅の一本を避けきれなかったらしく、地面に座り込んで、右の二の腕を押さえていた。


「大丈夫!?琴ちゃん!!」


「え、えぇ……平気です、ちょっと当たっただけ…………っ」


琴葉は、痛みをこらえるように顔を俯けた。


「……ヤバいな」


自分でもほとんど気が付かない内に、傷は呟いていた。


「うん、速く保健室に―――」


「いや、そうじゃなくて…………」


「?」


琴葉の肩を支えていた大志は、怪訝そうに傷の顔を見上げた。



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