この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
つつつ、続き? まさか、続きってアレしかないよね。でも、ここ会社だよ? そんなことしていいの?
辺りを気にしてプチパニックの私。なのに銀ときたら、私の肩にまわした手で頬を撫で、いきなり廊下の壁に体を押し付けてきた。
「わわっ!」
自由を奪われた体――
「ぎ……ん、ダメ……」
「なんで?」
「誰かに見られたら……」
そうだよ。この会社は社内恋愛禁止。バレたらお仕置きだ。いや、会社にお仕置きされる前に、私が女性社員にボコボコにされる。
「誰も居ねぇーし」
「そ、それでも部長なの?」
「あぁ、そうだ。お前は俺の部下だろ?だったら、上司の言うことは絶対だ。抵抗したら許さねぇ……目、閉じろよ」
そんなこと、そんな色っぽい顔で言われたら、逆らえない。
昨夜とは違い、ゆっくり触れる唇。優しくなぞる様な溶けてしまいそうなキス。
密着した頬から伝わってくる銀のため息にも似た熱い吐息に全身の力が抜けていく……
「銀…・・」
「ここ、弱かったよな?」
そう言って耳たぶを甘噛みし、息を吹きかけられともう、立っていられない。
「や……めてっ」
「変わってないな」
意地悪な銀。でも、そんな銀が……好き。大好き。
その時、廊下を歩く足音と話し声が微かに聞こえた。
マズい……一瞬にして火照った体は熱を失い、気持ちの悪い汗がジワリと吹き出してくる。が、そんな状況でも、銀は私を離そうとしない。
「銀、ヤバいよ」
足音はもうすぐそこの角まで近づいて来ていた。