この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

銀の手が直接胸の膨らみに触れた時、彼の目つきが変わった。


「デカくなってる」

「え゛っ?」

「夜露死苦のヤツに揉まれたからか?」

「へっ?」

「……ムカつく」


険しい目で私を睨んだと思ったら、首筋にヒルみたいに吸い付いてきた。


ひぇ~それ、ヤバい。


ドアの向こうでは、ガールズトークが盛り上がっていて、まだ出て行く気配がない。


そうこうしてる間にブラウスは脱がされ、露になった肌に銀の視線が突き刺さる。


「俺以外の男に抱かれやがって……」


えっ……


「待ってろって言っただろ? なんで約束破った?」

「銀?」


それは、いつも冷静な銀とは思えないほど荒々しく、初めて見る感情的な銀の姿だった。


そして、女子社員がトイレを出て行くと銀は私を抱きしめ小さく呟く。


「もう、どこにも行くな……俺の傍に居ろ。」

「うそ……」


信じていいの? その言葉、信じていいの?


まだ半信半疑の私は銀を見つめ「彼女とか、居ないの?」って聞いていた。


「今までも、これからも、俺の彼女はミーメだろ?」


真っすぐな瞳が私を貫く。その瞬間、私の中に燻ってた銀への不信感が一気に消え去ったんだ。


「ぎ、ぎーん!」


そんな言葉を彼の口から聞ける日がくるなんて思ってなかった。


私から銀の唇を求め、彼のネクタイを緩める。そして、ワイシャツのボタンを一つ一つ、ゆっくり外していく……


離れていた時を埋める様に、お互いの体温を感じながら何度もキスを繰り返す。


愛されてる――そう思っていいんだよね? 銀……


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