この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
銀と華が仲良くお風呂に向かう。
「銀様、お背中流しますね」
「おぅ」
まるで新婚さんみたいじゃない。私の心は穏やかではない。自分の娘に嫉妬してる? つまりは、私も銀と一緒にお風呂に入りたかったってことだ。
あ~ん……華が羨ましい~
お風呂のドアから漏れ聞こえてくるふたりの楽しそうな笑い声。私は息を殺し、お風呂のドアの前で聞き耳を立てる。
「ハナコ、お前の小っちゃくて可愛いな」
「あら、銀様のは凄く大きい」
ぬぬっ? 小っちゃくて可愛い? 凄く大きい? なんの話しをしてるの?
「ハナコのは柔らかいな~」
「銀様のは固いですね」
何この会話? まさか……ヤバかったりする?
銀って実はロリコンだったとか? てことは、ひぃ~華が危ない!
「銀! 華に何してんの!」
堪らずお風呂のドアを開けると湯船に浸かったふたりがお互いの手のひらを見せ合ってる。
「手……?」
手……なの?
「なんだ? ミーメも入りたいのか?」
「あ、いや、その……」
「ミーメさん、あっち行って! 邪魔しないでよ」
「はい、すみません」
トボトボと部屋に戻り正座してふたりを待ってると華と手を繋ぎ、素っ裸の銀が現れた。
「ぎ、銀……はだ…はだか」
「一度着たモン着れるかよ。なんか着る服ないか?」
目のやり場に困りながらも、ある一点を凝視してしまった。
それに気づいた銀が私に擦り寄り、華に聞こえない様に「欲しいのか?」なんて聞いてくるから茹でダコ状態。
「ミーメさん、顔真っ赤だよ。どうしたの?」
「ど、どうもしない。私もお風呂入ってくる」
逃げる様に部屋を飛び出すがドキドキが止まらない。
もう、銀のバカ! 華の前で興奮しちゃったじゃない。