この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
○素直な気持ち
どうしよう……私ってば、なんて罪作りなことしちゃったんだろう。モテる女は辛い。
ハァーッ、そんなこと言ってる場合じゃないか……
まだガンガンする頭を抱え『エデンの園』の扉を開ける。
華が生まれてからこんな形で外泊したの初めてだ。寂しい思いさせちゃったな……ごめんね、華。
静まり返った薄暗い階段を上がり、部屋のドアをゆっくり開ける。
華、まだ寝てるのかな?
ドアの隙間からソッと中を覗くと華が気持ち良さそうに眠ってる。
ホッとして部屋に入ろうとした時だった。ドアが凄い勢いで開き、私はノブを持ったまま部屋へダイブ!
「うわっ! 痛ったぁ~」
潰れたカエルみたいに床にへばり付いてる私の頭上から、低くドスのきいた声がする。
「朝帰りか?」
「……!!」
もしや……いや、間違いない。銀だ。なんで銀が居るの?
私はうつ伏せに倒れたまま、死んだふり。
「顔上げろ!」
死んだふり、死んだふり……
「そうか、俺の言うことが聞けねぇってことか?」
「わわっ!」
体がフワリと浮き上がったと思ったら、次の瞬間、私は銀の肩に担がれていた。
「ちょ、ちょっとー銀、下ろして!」
足をバタつかせ銀の背中をバシバシ叩く。けれど、銀はそんなことお構いなしって感じで私を担いだまま階段を下りて行く。そして、お店のソファーに私の体を放り投げた。
「何すんのよ!」
「うるさい、今まで何してた?」
「言いたくない!」
目の前の銀から顔を逸らすと私のアゴを掴み、強引に視線を合わせてくる。そして髪を触って一段と売機嫌な顔をする。
「濡れてるな……」
「それが何?」
「男と一緒だったんだな……シたのか?」
「そんなの銀に関係ないでしょ!」
「関係あるから聞いてんだろ!」
「なんで銀に関係あるのよ?」
「……お前は、俺の女だろ?」
それは……「――違う」